桜梅桃李(おうばいとうり)

新内協会理事長  鶴賀若狭掾

春風駘蕩の好季節となりました。山川草木は春の装いを寒い冬から心浮く春へと移ろいます。
木々も梅から咲き初め、桃から李、桜と順に美しい花を咲かせます。
【桜梅桃李】という言葉があります。
各々がそれぞれの特性を生かして見事な花を咲かせると云う事です。
他人と自分とを比較するのではなく、他にはない自分だけが持つ、豊かな個性を伸ばして開花させる。
人生も芸も同じ事が言えます。
芸は人と競うことではありません。
勝つべきは他人ではなく自分です。
芸は人間性が如実に顕われます。芸道に励み、鍛に煉を加え日々稽古に励む事に依って、己が心を磨き、辛苦を経て、慢心する事無く、魅力ある芸を身に付け、花を咲かせるのです。
芸に行き着く到達点はありません。
若い人も年を重ねたる人も、芸を志す者は皆同じ、限りない道程を芸と格闘しつつ歩みます。
まして若い人は美しい大輪を咲かせる無限の可能性を秘めています。
本日は文化庁補助事業に依っての意義深い「若手伝承者研修発表会」を開催して頂いたことに厚く御礼と感謝を申し上げます。

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