東日本大震災チャリティ公演に思う 

新内協会理事長 鶴賀若狭掾

此の度の東日本大震災で亡くなられた方及び行方不明の方々に衷心より哀悼の意を表します。
また被災された多くの皆様に心よりお見舞い申し上げます。

三月十一日午後、地震・津波・原発事故が重なり未曾有の災害が起きました。国難の幕明きです。
天災は忘れた頃に来るとは云うものの、ある程度は予想されていたのですが、余りにも大き過ぎて人知の想定を遥かに超えたのです。自然界は小さな人間の及ぶところではありません。

人間は自然界に生まれ自然界の中で生かされている事を改めて認識し、自然界に畏敬の念を持ちます。
大いなる文明の発達で人間は自然界を相手にどこかで尊大になっていたかもしれません。
この自然災害が、英知を結集した検証によって今後どのように役立たされるかが重要です。

地震は地球の胎動ですから防ぎようもありませんし、地震に伴う津波の派生も必然の現象です。
然し津波の被害は過去の事故のデータにおいてある程度は未然に防げたと考えられます。

一方、原子力発電所の震災による事故は想定外では済まされません。世に出回っているその手の本を読めば解る事ですが、これは人災が事故の大方を占めています。政府や東電の事後対応についての批判はともかく、起こり得るべき事故の、発生後の被害の甚大さについて予測の認識の甘さが余りにも無責任でお粗末です。

放射能汚染による被害の影響は、原発周辺の方々は言うに及ばず日本の浮沈に係わる大災難です。
今や日本国民が物資や資源が豊富にあり、際限なく快適さと豊かさを享受出来ると錯覚していた過を悟り、無駄を省き高望みをせず謙虚に生きる自覚を持ち、経済状況の悪化や電力不足の対処に真摯に取り組みなくてはなりません。知足の心です。

新内協会では震災後直ちに義援金の百万円をNHK事業団を通じて拠出致しました。今後も更に芸人として何がお役に立てるかを真剣に取り組んで参ります。
協会員の皆さんは各々のお立場で災害復興に対してご支援をなさっていると存じますが、これから日本中にじわじわ困難苦労が迫って来る事が予想されます。

被災なされた方々には誠にお気の毒に存じます。あの惨状を伺い知る時、慰むる言葉も簡単には出ませんが、日本国民が夢と希望を持ってこの国難に立ち向かい復興に尽力し、そしてこの災禍が日本にとって福と転じさせる事がせめてもの我々の重要な使命役割と責任かと思います。歴史国家の日本国民は大いなる誇りと素晴らしい英知と努力による底力を発揮するでしょう。そして昔の日本人の美徳を取り戻したいと願います。

なおこのような時期ですので会の中止も考えましたが、チャリティ公演として開催を決定しました。
皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。本日はご来場誠に有り難うございました。

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